ナースの平均勤続年数は、約7年です。30歳前後に退職される人が最も多くなっています。その要因の一つとして、結婚があげられます。ナースの約92%は女性であるため、結婚や出産をきっかけに退職されるケースが少なくありません。ですが逆に、ナースは産後も復職しやすい職業の一つともされています。事実24時間体制の院内託児所を設けている病院も数多くあります。しかし、ナースの仕事は肉体的にも精神的にも楽ではないので、仕事と家庭を両立させるのが非常に難しいとされています。
ナースが出産にあたって、勤務先の病院を退職して出産や育児に備えるケースと産休や育児休暇を取得して同じ病院で働き続けるケースがあります。後者の場合は当たり前ですが同じ病院で働き続けることができるので、再就職する必要がありません。その代わり病院の就業規則で決められている産休・育児休暇の範囲内に職場に復帰する必要があります。育児休暇はどこの病院でも大抵1年間は取得することができます。この程度のブランクであれば仕事に慣れるまでにそれほど時間はかかりません。ですが、産休や育児休暇をとって産後3ヶ月~6ヶ月くらいで職場に復帰した場合には、その病院に託児所がなければ常勤のナースとして働き続けることは難しいでしょう。
また、子供が生まれたばかりの状態での夜勤も難しいです。病院側もそのあたりは配慮してくれますが、遠慮して黙っていてはいけません。分かってくれるだろうという思いからなにも言わずにいると、無理して働かなければならない状況になってしまいます。無理をして働いて身体を壊してしまっては、何の意味もありません。病院側にしっかりと自分の状況を説明して、働ける範囲で働くことが大切です。
しばらく日勤だけで働くと夜勤手当が支給されない分、給料の総支給額は目減りします。ですが、それでも同じ職場で働けることはメリットが大きいです。常勤ではなく非常勤でパートやアルバイトで働いたとしても、家計を支えるのに十分な金額を稼ぐことは出来ます。ですので、無理して復帰を早める必要はありません。とくに初産の場合は、初めてのことで何かと不安が多いです。ご主人だけでなく、双方のご両親とも良く話し合いましょう。できるならば復職を先延ばしすることを許してもらいましょう。育児は一生にそう何度も行えるものではありませんので、貴重な体験とするためにも復職をあせらずにゆっくり育児に専念されることをお勧めします。
一方、2人目、3人目のお子さんを出産される方は、復職を早めても問題はないでしょう。2人目以降の出産は初産のときに感じた苦労の半分もないと感じる人も沢山います。それくらい、初産には力が入りますので無理をしないようにしましょう。とはいっても、旦那さんのお給料だけで生活するのが苦しいため、どうしても産後に短期間で復職される方もいます。そして、そういったケースが最近は増えてきています。そういう場合にはパートなど非常勤で働ける範囲内で働くようにしましょう。
一方、長期間にわたって育児に専念したいと考えるナースさんは一旦退職します。退職してから数年後、子供に手がかからなくなると再就職を考え始めるわけですが、この時点でかなりのブランクがあるので、ナースの仕事に復帰することに対して不安を感じてしまいます。これは仕方がないことです。再就職される方は大抵同じように悩みます。ですが、嬉しいことにナースの求人市場は依然として超売り手市場が続いていますので、長期のブランクがあっても再就職すること自体は全く問題ありません。
しかし、仕事に慣れるまでには相当の時間がかかります。その間に受けるストレスに耐えられずに退職される人も少なくありません。ですので、再就職前に少しでも最新の看護に関する技術と知識を高めようとするナースが多く再就職支援を目的とした研修を積極的に受けている人も数多くいます。これだけでも、入職した後の仕事に慣れるまでのストレスは大幅に軽減されます。いずれにしても、小さなお子さんがいて女性が外に働きにいくとなると大変ですのでご主人とよく話し合い、そのうえでどうするかを決めるようにしましょう。